2011年3月18日金曜日

群衆の津波

 命を危険にさらしながら原発事項現場で対処に当たられている自衛隊・警察・消防・東京電力などの方々、そして、被災地で人命救助、救護や被災者のケア、瓦礫の撤去、ライフラインの復旧、物資輸送に携わられている方々に心から敬意を表し、感謝を申し上げたい。

 福島第一原子力発電所の状況は予断を許さない。

 首都圏の主要鉄道駅や飛行場の下り線は盆暮れ並の混雑となっているとのこと。良いことだと思う。盆暮れ並の混雑ということは、安全が確保された状態で大量輸送が効率よく機能しているということだ。

 現時点で首都圏において目下懸念されるのは、放射能による健康被害ではなく、放射能パニックで数百万人が避難しようとして起こる群衆の津波だと思う。現在首都圏から公安・救急・消防の多くの部隊が東北方面の支援に出払い手薄になっている。ここに人の津波が生ずれば、誘導も救護もままならない。

 陸前高田・気仙沼・大船渡などで想像を絶する高さの津波が街をのみ込んだ。これらの街の特徴は、いずれもV字湾の突き当たりに位置していたことだ。V字湾に入り込んだ波は行き場を失い高さとなって街を襲った。群衆の津波も同じ事が言える。広場から狭い通路に入り込むときに、殺人的な圧力が発生する。通路の付近に階段があるとそのまま人の雪崩と化す。

 今回の大地震による津波は人知を超えるものだったが、群衆の津波はどれほど大きくても個々人の自宅に押し寄せることはない。原発事故の危機が高まって多くの人が待避を始めたときには、むしろ動いてはならない。

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